オステオパシーを学び、考え方や視野がとても広がった。
その一例を紹介する。専門的な内容になる。
腰方形筋。肋骨の一番下と骨盤の骨を繋いでいる腰の筋肉。

しばしば臨床で問題を起こすケースが多い箇所である。
腰方形筋が緊張すると一般的に腰痛や腰の重だるさとして表れる。
腰方形筋は肋骨の一番下にも付着しているので肋骨の動きにも影響をだす。
肋骨の一番下は呼吸に関与する横隔膜が付着している。

横隔膜は呼吸にかかわる一番重要な筋肉である。
腰方形筋の緊張が肋骨を介して横隔膜にも張力がかかる。
すると当然呼吸にも影響を出す。
横隔膜は心臓とも繋がっている。
当然心臓にも影響を出す。
横隔膜には3つの孔が開いている。
大静脈が通る「大静脈孔」、食道が通る「食道裂孔」、大動脈が通る「大動脈裂孔」
横隔膜にストレスが加わると当然これらの孔にも張力がかかる。
すると血液循環や消化器系にも影響が出る。
腰方形筋の緊張による腰痛を訴える方が逆流性食道炎や不整脈、足の冷え、呼吸苦などを訴えていないか。
日本の医療ではこれらの症状はそれぞれ整形外科、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科など分けて考えられるだろう。
しかし、解剖学に則り、体のつながりを考えると、決して別個のものではなく、すべて関連し合い関係していることがわかる。
人の体を分けて考えている以上、永遠に本質にはたどり着けない。
こういった人の体のつながりを重視した考え方で体を診る人材も今の医療に必要ではないか。
全体とそのつながりを考えて人の体をみていく必要がある。
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