患者さんが痛みや不調を訴えた時によく臨床で聞かれる言葉。
「もう歳ですからね」
「加齢によるものですね」
ほんとによく聞く。

医者が患者に言うケースも少なくない。
私はこれは絶対に患者に言ってはいけないNGワードであると思っている。
年齢が原因であるとするならば、その同じ年代の方々が同じ症状を訴えていないと辻褄が合わない。
70代で痛みを訴える人もいれば90代でも痛みを訴えない人もいる。
この理屈は明らかに矛盾している。
また、患者側にしてみれば、加齢だと言われても
「そんなことは言われなくてもわかっている」「そのうえで相談に来ている」である。
「もう歳ですから」というのは素人が言うことであって、専門家が言うことではない。
「歳を取ったあなたが悪い」と暗に意味しているような気がする。
一番の問題は「患者の希望を断つ」ということを無自覚に行っている配慮の欠如である。
確かに加齢による身体的な機能低下はある。
仮にそうであったとしても絶対に患者には言ってはいけない。
専門家であるなら、それも考慮して、改善できる可能性を調べて、探して、提案するべきである。
年齢のせいにするこの言葉は間違いなく患者からの信頼をなくす。
症状について相談したとき、第一声で年齢のせいにする治療家には気を付けた方がいい。
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