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【ほんとに筋力低下?】

更新日:2024年10月24日



理学療法士として病院勤務している頃、患者さんの問題点について考える時、よく耳にした。




「~~に痛みがある」 → 「これは~~筋の筋力低下が原因だ」


「~~の動作ができない」 → 「それは~~の筋力が弱いからだ」




「筋力低下」という言葉。 ほんとによく聞いた。






これに対して学生の頃からずっと疑問に思っていた。




よくよく患者さんの話を聞くと、痛みがあるけど痛くない時間帯や痛みがましな日もある。




ほんとに筋力低下が原因なら時間や日によって症状が変わるか?




筋力が時間や日によって変わっているということ?




自分の中で納得がいかなかった。




しかし、手術や病気でベッドに寝ている時間が長く、いざ起きて歩く練習をしようとする場合。



寝ていたことで体の機能が落ちて、体重を支える力が不十分で関節痛が引き起こされる。(手術後の膝に体重をかけた際に痛みがある場合など)



これはわかる。これはたしかに筋力低下と呼んでいいと思う。




でも、普通に家で生活している50~60代の人で、右膝の痛みや腰痛がある場合。




このような場合でも、「原因は筋力低下」の一言で済ます理学療法士をたくさん見てきた。




それはさすがに無理があると思う。




どうして普通に歩いて生活している人の筋力が急に落ちるのか?




おそらくではあるが、「筋力低下」であってもらわないと困るのではないか、と考えている。



つまり治療者側・リハビリする側の都合である。




改善させる方法として「筋力トレーニング」しか自信をもって提案できないから、ではないか?



当然だが「筋力」はすぐには向上しない。週3回以上の中程度の負荷で約1~2か月取り組まないと成果としては表れにくい。




となると、すぐに症状が改善しなくても、「時間がかかるから」といってごまかせる。




あるいは良くならなかったとしても、「あなたが真面目にトレーニングをしていないから」と患者のせいにできる。




効果が出ない場合のことも考えた結果、「筋力低下」であってもらわないと困るのである。




100歩譲って、


違う原因があり痛みが起こる → 痛いのであまり出歩かない → 活動性が落ちる → 2次的に筋力が落ちる




これは理解できる。




筋力トレーニングを否定するつもりは一切ない。トレーニングは絶対した方がいい。




しかし、経験上、筋力トレーニングをしたから痛みが消えた人は見たことがない。




ではその本当の原因は何か?




まだまだ分からないことも多いが




その答えをオステオパシーを学び、見つけられそうである。

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